2014年03月29日

ケニアの貝はどんな味?

ケニアはアフリカ第二のケニア山を擁し、国土の大部分が標高1000mを超える高原となっている。雨季以外は強い直射日光により乾燥し、野生動物が高原を縦横無尽に駆け回るいわゆるサバンナというようなイメージが強いが、南東部ではインド洋に面しており、マリンアクティビティを楽しめるビーチリゾートが多数あることでも知られる。
もちろん、沿岸部では魚介が多く捕れ、シーフードが人びとの食糧となっている。日本ではお目にかかれないようなさまざまな魚、あるいは貝がマーケットには並んでいることだろう。

さて、コーヒーの欠点豆と言えば、虫食い豆、未熟豆、割れ豆などとともにメジャーである貝殻豆というのがある。未熟豆や死に豆など、収穫後の精製処理で比較的取り除きやすいものもあるが、貝殻豆はその段階で機械的に取り除くのが難しい。当然、そうなれば人の手で取り除くしかないわけであるが、ケニアの豆を焙煎すると、ハンドピック時に貝殻豆を取り除くことが多い。それだけたくさん混入しているということだがなぜケニアのコーヒー豆には貝殻豆が多いのだろう?

と、無理やり貝つながりでまとまったところで本題である。
ケニアを焼いてハンドピックしていると、本当に貝殻豆が多くてびっくりする。こんなに貝殻豆が入っているなら、1バッチ焼いたら一杯分くらいの貝殻豆が取れるんじゃないかと思ったのが今回のネタの発端。本当に一杯分取れるのか? 取れたら貝殻豆100%のコーヒーを飲んでみたいぞ! というわけでスタートです。パチパチ。

サンプルとして用意したのは「ケニア キアンジルファクトリー」生豆で2s。焼き上がりでおよそ1.7sほどになる。今回、焼き豆の中から貝殻豆を探さなければならない都合もあり、生豆でのハンドピックはしていない。

いつも通り、スーパーでスペシャルな焙煎をして、冷却をして、ハンドピックを開始したのだが、今回はハンドピックで欠点豆を選り分けた後、欠点豆の中から貝殻豆をさらに選り分けるという二度手間をかけたわけで、ハンドピックをしながら「これでつまらん結果が出たらやだなあ」などと思いつつひたすら手を動かした。

じゃじゃーん。これが貝殻豆だ。
s1貝殻豆.jpg

二枚貝の片方みたいな形をしているので貝殻豆。ハンドピックするときはこれがひっくり返っていると見逃すので、トレイにざーっと広げてハンドピックするときには、一面が終わったら手でかき混ぜて裏面をチェックするとまた貝殻が見つかったりする厄介者だ。

およそ1.7sの中から取れた貝殻豆は9.5g。これが多いか少ないかはよくわからないけど、なんとか一杯分は取れたという感じだ。ちなみにセミクエーカーな貝殻、虫が食ってる貝殻などは捨てたので、正確には、1.7sのうちの健康そうな貝殻豆が9.5g、ということである。
s20貝殻豆測定.jpg

比較するために、さきほどハンドピックが終了している、商品として並ぶほうの豆も9.5g用意した。
s21ノーマル豆計量.jpg

ちょっと光の当たり方の関係もあるのだろうけど、貝殻豆のほうが黒く見える。これ、実際にちょっと黒かった。いわゆる「貝殻豆は火が通りやすく、焦げやすい」というのは正しいのかもしれない。

そして、ブレのない抽出のために「スマートコーヒーメーカー」を使う。これは生産終了品で、今は「パーフェクトブリューワー」という名前で少々マイナーチェンジして発売されている。
実にブレがなく、再現性の高い抽出器具である。こういう検証にもいいが普段コーヒーを飲むのにいつも通りの味をいつも飲みたいぞという方にはもってこいなのだ。
s24コーヒー豆とPB.jpg

まず、秤をミルの下に置いて、その上に貝殻豆用のスマートコーヒーメーカーを乗せて、秤をゼロにする。
s41PB貝殻ゼロにあわせる.jpg

そしてガーっと挽くと、9.5g出てきた。
s42貝殻粉投入.jpg

普通の豆も同じ手順で。
s43PBノーマルゼロに合わせる.jpg

ガーっと挽くとこちらも9.5g。
s44PBノーマル粉投入.jpg

0.1g単位で計っているのだからちょっとの粉残りも影響が出るぞと、挽き始めと挽き終わりにミルをガンガン叩いて粉を全量出させたのが功を奏したか。

そしてタイマーをセットしておく。
挽き目がドリップ用と同じなので、メーカー推奨の4分ではなく、短めの3分にする。
s45タイマー3分.jpg

次に抽出用のお湯を計量する。あらかじめよーく温めたピッチャーに、お湯を100gずつ注ぐ。同時にやってるから、温度の違いはほぼ無視できるレベルのはずだ。ちなみにお湯の温度は、練習でやったときに計ったらピッチャー内で88度になっていた。本番もほぼ同じだろう。
s54投入する湯量測定.jpg

そしてお湯の入ったピッチャーを用意できたら、スマートコーヒーメーカーにドバーっと注ぐ。
3分してタイマーがピピっと鳴ったところで同時に排出開始。今回は完全にコーヒーのしずくが切れるまで落とし切った。
s56抽出中.jpg

事前にカップを乗せた状態で秤はゼロにしてあるので
s55カップをゼロに合わせる.jpg

抽出した後の液体の量が計れる仕組みになっている。
s63抽出後液量測定.jpg

出てきたコーヒーが84g。100gのお湯を注いでいるわけで、16%が粉に吸われているわけだね。

ちなみにこれが抽出後の出し殻のコーヒー。
ここを見る限り、見た目の差はあまりないような気がするけどなあ。
s62抽出後のPB.jpg

ついでに、アタゴのコーヒー用Brix計で濃度を計ってみた。

これが貝殻豆。
s71tds貝殻.jpg

これが普通の豆。
s72tds計ノーマル.jpg

あれれ〜? なんかヘンだぞ〜?(脳内でコナンの声に変換を推奨)
これだけ条件をそろえたのに、貝殻豆のほうは1.13、普通の豆のほうは1.19である。ははあ、違うものだねえ。
なぜ違うかという検証はしないが、これだけ違いが出るということは覚えておいていいと思う。
ちなみに収率であるが、計算はしないけど今回は粉量と投入湯量と抽出後の液量が同じなので収率は同一であると判断。

さて、TDS計で計る前にブラインドで飲み比べたわけだけど、その印象は以下の通り。

カップA オレンジ、白桃、キャラメル、クリーン、軽い味だが心地よい
カップB プラム、チョコ、カップAと比較して若干レスクリーン、若干味の強さを感じる

といったところで、タネ明かしをしたら予想通りの、A=普通の豆、B=貝殻豆だった。
焙煎が進行しているという感じはあるものの、それほど焦げているとか焙煎度が上がっているという印象は無く、むしろ違いとしては質感が違うという感じで、クリーンさが多少悪くなり、シブ味を主体とする雑味を感じた。
しかし、その違いはあまり大きなものではなく、一粒入れば確実にわかるポテトやコッコなどと比較すると、その影響は弱いものと言っていいと思う。

(念のため申し添えるが、SSEとしては通常、ハンドピックする際に貝殻豆を見つけて故意に残すということはしていないわけで、SSE印の豆で貝殻豆混じりのコーヒーということにはならないように気を付けている)

というわけで、自家焙煎店でもないとなかなかできない貝殻豆100%コーヒーを飲んでみたよ、という記事でした。


最後に、ちょっと宣伝。

今回サンプルとして用意したコーヒーはコチラのページから通販できますよろしくお願いします。
ケニア キアンジルファクトリー マーズロースト - SUNSHINE STATE ESPRESSO

また、本文中に出てきた「アタゴのコーヒー用Brix計」「パーフェクトブリューワー」の2点もSSEにて絶賛販売中です。お求めになりたい場合はご来店いただくかもしくは通販いたしますので sse13feb@gmail.comまで「欲しいよー」とメール下さい。
【コーヒーの最新記事】
posted by ホゼ at 17:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月12日

エゴレスコーヒーのための十戒

今回は、ビジネスとしてコーヒーを扱っている人に向けてのお話です。


コーヒーは嗜好品であるので、しばしばそのクオリティについてエゴイスティックになることがある。
自分だけを信じ他人の言うことを聞かなくなる状態だ。そこにはうぬぼれや過信があり、自分の経歴や経験から引き出したものしか採用しなくなる。誰かに批評されたり間違いを指摘されるのを嫌う。

そのような状態にならないように(あるいはなってしまったとしたら速やかにそこから脱出できるように)、積極的に批評やアドバイスを受け入れるようにしよう。

自分の作ったコーヒー(焙煎した豆でも抽出した液体でも)を他人に見てもらい、改善点を積極的に指摘してもらう。焙煎や抽出を評価する側も評価させる側も「自分の方が優れている」などといった自尊心を捨て、純粋に「より良いものを作る」という意識を共有する。
そのための良い指標が以下である。


「エゴレスコーヒーのための十戒」

1.あなた自身も間違いを犯すということを理解し受け入れよ。
2.あなたの作ったカップはあなた自身ではない。
3.あなたがどれほど“カラテ”を学ぼうと、まだほかに達人はいる。
4.相談なしに焙煎や抽出メソッドの作り直しをしてはならない。
5.あなたよりも無知な人にも尊敬と敬意と忍耐をもって接しよ。
6.世界で唯一変わらないことは、変わるということだけである。
7.本当の権威とは地位ではなく知識から生じる。
8.自ら信じるもののために戦え。ただし、負けは潔く受け入れよ。
9.“部屋に籠りきり”になるな。
10.人ではなくコーヒーを批評せよ − 抽出者、焙煎者には優しく、コーヒーには厳しく。



これは僕のオリジナルなアイデアではなく、ジェラルド・ワインバーグの作ったリストである。

オリジナルの「エゴレスプログラミングのための十戒」はこちら。
「エゴレスプログラミングのための十戒」
1.あなた自身も間違いを犯すということを理解し受け入れよ。
2.あなたの書いたコードはあなた自身ではない。
3.あなたがどれほど“カラテ”を学ぼうと、まだほかに達人はいる。
4.相談なしにコードの書き直しをしてはならない。
5.あなたよりも無知な人にも尊敬と敬意と忍耐をもって接しよ。
6.世界で唯一変わらないことは、変わるということだけである。
7.本当の権威とは地位ではなく知識から生じる。
8.自ら信じるもののために戦え。ただし、負けは潔く受け入れよ。
9.“部屋に籠りきり”になるな。
10.人ではなくコードを批評せよ − コーダーには優しく、コードには厳しく。


ほとんど書き換えることなく、コーヒーについても当てはまると思い、すこし改変したのがエゴレスコーヒーのための十戒である。


どのひとつを取ってみても、そういう態度を取れるかどうか、非常に怪しいところである。
普段どんな態度を取ってしまいがちか、例示してみる。
「エゴコーヒーのための十戒」
1.自分は間違ってない
2.誰かの淹れたコーヒーは彼(彼女)自身であるのでコーヒーの欠点をもって彼(彼女)を否定する
3.自分だけがこの味を取れる、この違いに気が付く、この理論を知っている
4.メソッドの一部を変えるように一方的に押し付けた
5.自分より無知な人や経験の浅い人に対して上から目線になる
6.何もアップデートせずに変化を拒否しているものにこそ価値がある
7.地位のある人に権威を感じる
8.流行に乘り、負け惜しみを言う
9.よそのコーヒーを飲まない
10.コーヒーではなく人や店を批評する - コーヒーよりも人や店を厳しい目で見る

笑えない笑えない。こんな態度を取りがちなんじゃないかしら。そうだとしたら怖い、こんな人に淹れるコーヒー飲みたくないよって思わせるに充分なリストになっちゃった。


というわけで、コーヒーはエゴレスでありたいものです。ビジネスでコーヒーを扱うならば尚更に。
posted by ホゼ at 11:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月09日

あなたのコーヒービジネスにぴったりの名前は?

これからコーヒーでビジネスをスタートするあなた、いつかコーヒーで身を立てようと思っているあなた、屋号はお決まりですか? もし決まってないならこの記事を読んでみることをおすすめします。


namaeitiran.jpg
wikipediaによる企業名の由来

コーヒーでビジネスをスタートさせようと思ったら、いろいろ決めなきゃならないこと準備しなきゃならないことがある。その中で最も重要なもののひとつでありながら、あまり深く考えられずに決められているものが「屋号」ではないだろうか。
古今東西、企業の大小や有名無名を問わず「社名が変わりました」という話をよく聞く。中には企業同士の合併などで変えざるを得ないこともあるだろうが、その多くは「今の社名はイマイチだ」という理由(そのイマイチな理由は様々だろうが)から変えるわけである。
ひとつ例を引こう。あの有名なIBMは正式な社名をInternational Business Machinesと言う。インターナショナルビジネスマシン、結構である。世界中どこでもビジネスをやろうと思ったらここのマシンにお世話になりそうなイメージだ。
ところがこのIBM、昔はちょっと違う名前で商売をしていた。ザ・ニューヨークタイムレコーダー記録会社、1900年の創立だそうである。ニューヨークでパンチカード式のタイムレコーダーを使うなら、この会社にお願いしよかと思うかも知れないが、それだけだ。この名前のままで今のIBMのビジネスをやれたかどうかは非常に疑問である。多くの人が使った「Think Pad」であるが、その製造元がニューヨークタイムレコーダー記録会社ではちょっと売れ行きが心配になる。
※ちなみにIBMの直接の企業名変更の理由は合併である

あなたがビジネスをスタートするときに、屋号をどうやって決めるだろうか。

インスピレーション? ビジネスをよくあらわす言葉? 好きな文学作品や映画から? 座右の銘? 好きな人の名前や自分の名前?
どれも結構である。素晴らしい。もしこのどれかであれば、あなたのビジネスの名前はあなたが好むものであるからして、長くあなたの気に入りのものになるだろう。めでたしめでたし。 ・・・となるだろうか。なる場合も多くあるだろうが、もしかしたらもう少し考える余地があるかも知れない。そこで、手間ではあるが、あなたが付けようと目論んでいる名前についてもうほんのちょっとだけ考えてみよう。長くビジネスをやろうと思っているのであるから、ここで時間が少しくらい余分にかかったとしても罰は当たらない。

ビジネスをやろうと思うときに、大事なのは熱意である。熱意は自分の中から湧き出てくるものだ。熱意にまかえて名前など好きに決めればよろしい。原則はそれであるのだがしかし、以下のガイドラインに留意すると、その屋号はもう少しよいものになると思う。


1.同じ名前や似た名前が無いか

何を当たり前のことを、と思うだろうが、見落としがちなポイントである。
その名前で検索して、コーヒービジネスで同じ名前があればアウト、似た名前があればこれもかなりアウトに近い。また、異業種でも同じ名前があれば要審議、似た名前があれば検討を要する。
だいたい、異業種のほうに目が向かないことが多いように見受けられる。「その名前、コーヒー業界にはないけど異業種に有名なアレがあるよね」となることがある。同業に同じ名前似た名前が無いとしても、例えば「カフェ ダイハード」(ダイハードは『粘り強く耐える』などの意味がある)という名前を付けたら、それは同じ名前はいないだろうが、すぐにあの映画がピンときてしまいイメージが固定化されてしまうだろう。ちなみに自動車のバッテリーにこの名前をつけて映画とタイアップして成功した事例があるので、もしタイアップなどができるのであれば不適当とも言えないが、まあそういう例は稀であろう。

2.ドメインを取られてないか

もはやインターネットは人生に欠かせないものになった。独自ドメインでウェブサイトを持つのが当たり前となっている時代に、www.hogehogepage.com/~あなたのカフェ/ などというURLでは格好がつかない。(特に『~』これがついてるのはヤバい。ダイヤルアップの時代の遺物か)
www.あなたのカフェ.com、このドメインを取得しよう。ドメインは、.comではなく.co.jpでもいいし、なんだったら.bizでもいいかもしれない。しかし、あまりおかしなドメインはいただけない。

3.読めるか、覚えられるか

日本語でも難読地名や苗字などがあり、例えば所在地が「月出里」だからと、そのまま「月出里コーヒー」などとつけたらどうなるか。誰も読めない。ちなみに正解は「すだち」なのだが、これは茨城にある難読地名である。日本語だから大丈夫だろう、は通用しない。
それが外国語なら尚更だ。なんとなく英語で難しい名前をつけてみたとなると、意味がイメージできないということの前に、読めないということになりかねない。ましてやそれが日本でなじみのない言語である場合、そもそも店名なのか図案なのかわからないということになってしまうかもしれない。
オシャレなイメージで安易に英語以外の外国語に手をだすのは・・・(日本の場合は英語でも難しいわけで)ちょっと厳しいかもしれない。
読めようが読めまいが、かまわないじゃないか。という意見もあるだろうが、読めないのはちょっと困るときがある。例えば待ち合わせで「西麻布に新しくできたカフェにいるんだけど名前読めないんだよね。場所?検索・・・名前が読めないからググれないや、どうしよう、ほらあの通り沿いのさ、わかる?なんだか英語っぽくないんだよね店名が」・・・待ち合わせができない。こういうちょっとしたネガティブなイメージは、お店にちょっとずつダメージを与えていく。これが例えば「角川珈琲」なら、問題無い。
そして読めるとしたら今度は長さが問題になってくる。
角川珈琲ならほとんどの人が覚えられる長さであると思うが、もしこれが「炭火焙煎ハンドドリップ専門元祖東京角川珈琲本舗」などという名前だとしたらどうだろう。初見で覚えられるという人は少ないのではないか。

4.大文字か小文字か

だんだん細かい話になっていくわけだが。
例として「グッドコーヒー」という名前を考えてみる。これはカタカナだけど、英単語でできているわけで、英語表記にすることがあるだろう。そのときにどうするか。
「Good Coffee」単語の最初の文字だけ大文字
「Good coffee」全体の最初の文字だけ大文字
「GOOD COFFEE」全部大文字
「good coffee」全部小文字
「GOOD Coffee」GOODを全部大文字、Coffeeを最初の文字だけ大文字
「GOOD coffee」GOODを全部大文字、coffeeを全部小文字
この6種類くらいが考えられるだろう。
英語の文の中で、この店名が使われるとなると、なんだか不都合のある表記がいくつかある。例えば文頭に来ているときにGood coffeeの場合は、文頭だからGが大文字なのかそれとももともとGだけが大文字なのかがわからない。また、もしgood coffeeという名前であることを知っていたら、文頭に書くときにgoodとすべきかGoodとすべきか迷うに違いない。そういう可能性があるということを考えつつ、英語表記にしたときにどの文字を大文字にするか小文字にするかを決めるといいだろ。

5.濁点、半濁点(と促音、拗音、長音)

さらに細かい話になっていくが、濁点と半濁点(と促音、拗音、長音)はけっこう重要なポイントである。
言葉の意味にイメージがついてまわるのは当然として、名前を耳で聞いた(発音した)印象というのがある。
ゴルバチョフとプーチンでは、なんとなくゴルバチョフのほうが当たりが強く、プーチンのほうが軽い感じに聞こえる。この場合、ゴルバチョフには二個の濁点があるのに対し、プーチンには半濁点と長音が入っていることが原因である。
濁点などを入れると、直音(五十音表に出てくるそのままの字)だけで構成されたものから、それぞれイメージが変化するので注意を要する。
それを踏まえて、以下のような関係が成り立つと考えられるので、名前に直音以外の文字を入れるときは参考にしてほしい。
濁点:力強い、男性、攻撃的
半濁点:可愛らしい、女性、子供
促音:軽やか、元気、生き生きとした
拗音:異化効果、独特な、ギーク
長音:のびやか、広がり、中性的

6.その名前は誰かを不快にさせないか

会社員をターゲットにしたカフェを作ろうとして「ビジネスマンカフェ」という名前をつけたら、不快に思う女性がいてもおかしくない。下ネタを連想させるようなものもダメだ(例示は自粛)、威圧的すぎるのも良くない。言葉遣いが汚いなどもってのほかだ(例示をしようとして『英語の汚い言葉+カフェ』で検索したら、たいていの汚い言葉が店名として存在することを知って驚愕)。
思わぬポイントで誰かが不快に感じることがあるかもしれないので、名前が攻撃的であったり、排他的であったり、下品であったりしないように十分注意すべきだろう。そういう店名にして誰も得することは無い。

7.そこに理念はあるか

あなたのコーヒービジネスは、最初は小さなスタートかもしれない。しかしそのビジネスはいずれ大きなものになり人員も増える(に違いない)。そして拠点が増え、誰もが屋号を聞いたりロゴを見たりすればそれとわかるようになる(はずだ)。いつかビジネスは国境を越え世界へ進出しグローバル企業の一員となる(ことを祈る)。
そうなったときに、あなたのビジネスがスタートしたときと同じ理念を持ち続けているか。
その名前は体を表す。あなたの屋号は小さなスタートアップだったときとグローバル企業になったときに、同時に「素晴らしいネーミングだ」と言えるだろうか。
この項目は「そんな可能性は無い」あるいは「そんなところを目指していない」と無視することもできる。しかしながら、あなたのビジネスが素晴らしいものであるならば、その可能性はある、断じてあるのである。そしてその時に「ニューヨークタイムレコーダー記録会社」から「インターナショナルビジネスマシーンズ」に社名を変更しなくても済むように、最初に高い理念を掲げて屋号をつけよう。



以上、屋号をつけるための7つのアイデアでした。
これからコーヒービジネスに参入していこうというあなた、参考にしてくれれば幸いです。



ところでSSEはどうなんだ、という話になりそうなんで勝手に回答しておきます。
サンシャインステイトエスプレッソのポイントは次の三つ。

1)略称が3文字のアルファベットにできる(つまり三つの単語でできてる)
2)語感
3)実在するストリーがある(脳内だけのイメージではない)

というところ。
これはきっと参考にならないねー(笑
posted by ホゼ at 07:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 開店の下ごしらえ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月23日

TDS計とコーヒー

分析機関にお勤めとか、大学で化学分野を専攻していたとかじゃない限り、TDSと言えば東京ディズニーシーである(TDSでgoogle検索するとパスポートのいらない夢の国ばかり検索結果に並ぶことになる)。

ところが「今、コーヒー業界でTDSがアツい!」となると、ちょっと様子が違ってくる。
エスプレッソマシンで使用するポルタフィルタのバスケットや、グループのスクリーンでお馴染みのVSTが販売しているTDS計が、アツいのである。
VSTのストアで買うとUSドルで799だそうだ。けっこう高い。高いけど、みんな買ってる。
この流れに乗るしかない、というわけで僕も買ってみた。

s写真 (8).jpg

VST社のものではないのだけど、一応、TDS計。ちょっと計ってみたら、ちゃんと使えるっぽい。

今回は、TDSとコーヒーの関係とは、TDS計をどうやってコーヒーに役立てていくか、そういうところを考えてみたい。

さて、TDSとは何かというところから説明していかなければならない。
まるっとコピペするとわかりにくくなるので、すごーく簡単に言うとこうなる(と思う)。
TDSとは総溶解固形分のことで、水溶液の中に溶けてる「何か」の量のことである。

で、それをどうやって計るかというと、おおまかに言って二通りの方法がある。

ひとつは、VST社で販売しているヤツの採用している方式で、水を通して見ると物が折れ曲がって見えるという原理を利用したもの。
水の中で見えるものの長さがいつもと違って見えたり、水に入った部分が折れ曲がって見えたりした経験を(特にお風呂の中で)お持ちではないだろうか。空気中と水中では、光の進み方が違うので、そう見えるのであるが、屈折計はこの光の進み方の違いを測定しているわけである。真水の曲り方を基準として、測りたい水溶液を通った光がどれだけ曲がっているかで、その水溶液にはどのくらい混じり物があるかを推測するのである。
通常、スクロース(つまり砂糖)がどれだけ溶けてるかというのを計ることが多いが、有機物が溶けてればなんとなく屈折率が違ってくるので、それがスクロースでなくとも「何かが溶けてる度合」を計ることができる。
原理的に、濁ったものや不透明なものの測定が苦手である。

もうひとつは、僕が買ったヤツの採用している方式で、水に何かが混じってると電気の通りが良くなるという原理を利用したもの。
真水はあんまり電気を通さないけれども、たとえば塩を溶かすと電気の通りが良くなる。塩の濃度が濃ければうんと良くなる。その仕組みを利用して、水溶液中に電極を二本入れてその間の電気の通り具合を測ることで、どのくらい混じり物があるかを推測するのである。
屈折計が砂糖ならこちらは塩で説明すると、塩はNaClだけどこれが溶けた水溶液に電流を流すと、NaプラスイオンとClマイナスイオンになって、2枚の金属板の間を移動していくのである。塩分が濃ければ電気の担ぎ手であるイオンの量も増えるので、電気が流れやすくなるわけ。ああ難しい。

どちらも一長一短があるわけだけど、溶けてるものの量を計るという目的で使用される、一般的な計測器具である。

では、これを使うことで何がわかるか、を考えてみる。

s写真 (8).jpg

これ、SCAAが学者の先生と共同で研究したコーヒーの濃度と美味しさ(?)の関係をあらわしたグラフなんだけど、どんくらいの濃度だとどんな味になります、ということがわかるようになっている。
これだと、濃度(パーセント)表示なので、brix値が出るほうがわかりやすい。というわけで、VSTのTDS計は屈折式なのかなと思ったりする(要審議)。
なんとなく、確かにそんな感じになるよなーと思わせるだけの説得力のあるグラフである。

でもなんか釈然としない感じも残る。学者の先生が研究室で高級な計測機器を使って(たとえばLC-MASとか使えば、より正確に成分と濃度(定性と定量)ができるはず)調べたりしてるんだろうなあと思うと、簡易型のものでどれほどのことがわかるかというのが、疑問なのである。

僕は学者じゃないし、読者も学者じゃないので、ものすごーくざっくり説明すると、屈折計は砂糖の濃度を、導電率計は塩の濃度を測るのが得意なんだけど、コーヒーの成分がどっちよりなのかわからない。
TDS(総溶解固形分)が測れると言うけれども、屈折計にしろ導電率計にしろ温度が違えばその結果が変わってくるし、そもそも検量線(基準になる連続した値のこと。あらかじめ成分と濃度がわかっている水溶液をいくつか測って、実際に測った値を線にしておくことで、何かを測ったときにどのくらいの濃度なのかがわかるようにする)を引かないと正確な測定とは言えないだろう。
何を測定しているのかわからないで測定しているわけだから、ただ「濃いか薄いか」しか測れないと言って差し支えないと思う。(定量はできるけど、定性ができてない)

という前提条件で、さてコーヒーを測定することで何がわかるかなー?と考えてみた。

抽出の場合は、パラメーターが「湯温」「粉量:抽出量」「時間」の三つになるので、これらのパラメーターを動かしたときに濃度がどうなるかということを測定すると面白いだろう。

焙煎については、焙煎プロファイルを変えて同じL値(黒→白を0→100として、コーヒーの表面の色がどのくらいかで焙煎度合に当てはめる。たとえばシティローストだと20くらい)にして、抽出条件をそろえた抽出液にして濃度を測るとか。焙煎プロアファイルを同じにしてL値を変えて、抽出条件をそろえた抽出液にしてとか。
焙煎そのもののパラメーターはたくさんあるけれども、濃度を測定するパラメーターとしては、プロファイルとL値のふたつかな。


業務上、コーヒーを扱うならば、どの段階(生豆、焙煎、抽出)に携わるとしても、あって損はない計測機器であると思う。使いようではその計測結果がかなり有益な指標になり得るはずだ。
しかし、大事なのは、屈折計は「真水と比べてどのくらい屈折率が違うか」、導電率計では「真水と比べてどのくらい電気の通りがいいか」を計測しているだけで、濃度を調べているわけではないということである。もちろん、近似値として利用できる程度には密接な近似があるということなのだが、それでも、濃度そのものを調べているわけではないというのは頭の隅に置いておいたほうがいいだろう。
それと、近似値としての濃度が測れるにしても、何の濃度を計っているのかがわからないこともついでに覚えておこう。コーヒーの濃度を計っていると言っても、コーヒーはたくさんの成分を持っている。その計測方法で測れる成分はその中の一部でしかない(とは言ってもそれは数えきれないほどたくさんの成分だ)わけで、その計測結果はそのコーヒーの濃度についてすべての情報を持っているわけではないってこと。
それと、もうひとつ大事なのは、単純に美味しさを現す指標ではないということだ。おそらく、美味しさと何らかの、そしてどれほどかの相関があることはあるのだろうと推測されるが、その関係をきちんと表すにはちょっとハードルが高そうだ。前掲SCAAの図にしても、真ん中は「バランスがいい」ってことで「美味しい」とは言ってない。

さてさて、皆さんはどうTDS計を使うだろうか。
この記事を読んで、もし、もっといい使い方があるよということであれば是非ご教授いただけるととてもうれしい。なにしろ、僕も大枚はたいて買ってしまったのだから、なんとか役に立てないと勿体ないからね。


※学術的な記述について誤りがあればご指摘くださいますと幸いです
posted by ホゼ at 09:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | エスプレッソ技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月18日

コーヒーを美味しく飲むには

えーっと、コーヒーを美味しく飲む方法です。

このブログを読んでる人は、もう耳にタコな話かもしれません。

このブログでも、淹れ方についてそれっぽい記事を書いたことがあります。しかしそれはそれとして、ちょっと書きたいことがあるのです。ひとりの消費者として、コーヒーはこうしたほうが美味しく飲めるんですよと。

◆   ◆   ◆


コーヒーを美味しく飲む方法というのは、もう昔っから各種メディアやインターネット上で紹介されているし、論じられている。出尽くした感がある話題であり、それを大上段に構えて「コーヒーを美味しく飲むには」なんてブログ記事を書くなんて今更感が激しいことこの上ない。
いつも巡回するブログやサイトを見ても、大なり小なり取り上げ方に差はあれど、たいていのコーヒー関係のサイトではおすすめの淹れ方を紹介している。長年の経験による方法、最新の機材や淹れ方の紹介、それらを読んで、なんとなく平均を取れば、それなり以上に美味しいコーヒーが淹れられるんではないかと思う。

そこで「コーヒーを美味しく飲むには」なんて二番煎じもいいとこだ!蛇足!なんて声が聞こえてきそうではあるが、まあそこはほら、ビバ!ロングブラック!的コーヒーの美味しい飲み方ということで少しの間、お付き合いください。もしかしたら、目からウロコの新しい発見があるかも!?(効果には個人差があります)


まず、なんでこの記事を書こうかと思ったなんだけど、よくあるタイプの「コーヒーの美味しい飲み方」を読んでいつも不満に思うことがあるんだよね。それは「今それ聞いても役に立たねーよ!」ってこと。
だいたい、僕はズボラであり、めんどくさがりである。たとえばコーヒーを飲もうと思ってふと「コーヒーってどうやって飲んだら美味いんだろうなあ?」ってグーグル先生に聞いてみるタイプだ。そのときにこんなこと言われても、時すでに遅しなんだよね。
(以下に出てくる僕は「僕(仮想)」ということで、ただのコーヒー消費者であるとします)

「家でコーヒーを淹れようと思ったときにふとグーグルで美味しいコーヒーの淹れ方を検索した結果の上位に出てくるサイトでよく見るタイプのアドバイス(と、それを見た僕の反応)」
・一人分120tで、コーヒーの粉は10gです(←ハカリが無い、あるいは出すのが面倒くさい)
・お湯の温度は92度(←温度計がない)
・軟水で(←どうやって調べるんだよ)
・購入してから2週間で飲みきりましょう(←いつ買った豆かすでにわからなくなってる)
・ペーパードリップなら、中粗挽きで(←中と粗の中間が微妙でわからない)
・口の細い専用のポットで(←持って無い)


書いてるとキリがないのでこのへんで紹介を終わりにしたいが、結局こういうことというのは「今飲むコーヒーを美味しく淹れるために」という場面で知ってもたいして役に立たないのだ。
もちろん、これから器具をそろえてコーヒーを買っていつか美味しく飲むときに最高の状態で飲みたいという方には、非常に役に立つ。それはわかる。しかし、ズボラでものぐさな人が「どれどれ?」って検索したときにこんなこと読んでも時すでに遅しなんだよ。

というわけで、ズボラでものぐさなアナタへ朗報です。今飲むコーヒーを少し美味しくできる方法をば、お教えいたしましょう。読んでコーヒーを飲みたくなったら、まさに今、役に立ちますよ。素晴らしい。
(なお、以下一杯分のコーヒーを淹れる手順を紹介しています。もし二杯分以上の場合は、適宜読み替えてください)

まず、いつも淹れるように器具などをそろえよう。
このときに注意したいのは、美味しく飲むためにはいつも通りじゃちょと力不足だってこと。
いつも飲むカップがシブなどで汚れてるとか、フチが欠けてるとか、惰性で手前にあったカップを持ってきたとか、そういうのはダメ。美味しく飲むんだから、いいカップで飲もう。
客用のとっておきのがある? じゃあそれで飲もう。 なにかのロゴかなんかの入った非売品のカップを飾ってる? せっかくだから使おうよ。 箱に入ったやつがあったっけ? 出そう出そう。新しいのおろしてみよう。 同じコーヒーを飲むんでも、いままでとは違う気分に(しかも、いつもよりもすごく「いい気分」に)なるに違いないから。
それと抽出器具。ペーパードリップなら、(1)ペーパー (2)ドリッパー (3)カップ これだけしかない。しかないけど、ここにひとつ工夫をする。(4)清潔なスプーン(ティースプーンでOK。あれば計量用のスプーン)と、(5)小ぶりのカップあるいはコップ、それと、(6)それらを載せるトレイまたはお盆あるいはテーブルクロスなど、を用意する。

これで抽出するための道具はそろった。配置はこうだ。

あなたがコーヒーを飲む場所(デスクかもしれないし、ソファの前の小さなテーブルかもしれない。ダイニングかも、庭に置いたガーデンテーブルかもしれない。とにかく、くつろいでコーヒーを楽しめる場所であればどこでも!)に、いま書いたものをセットする。お盆(トレイ、テーブルクロス)の上に、ペーパーをセットしたドリッパーと、スプーン(これは2本あるとなおいい)、小さなカップかグラス、そして今日のコーヒーを楽しむためのカップを置く。バランスよく、きれいに配置しよう。

次に、コーヒーを楽しむための準備をする。
コーヒーを飲むにはコーヒーと口(と胃袋)があればOK、というような単純なものではない。いや、飲むにはそれで事足りるのかもしれないが、楽しむためにはもうちょっとだけ、工夫が必要だ。
まず、食べるかどうかは知らんが軽くつまめるものを用意する。
今淹れるコーヒーが軽い焙煎であっさりした風味なら、フレッシュなフルーツを切ったものやドライフルーツなんかいいね。フルーツのタルトなんかあるといいけどちょと無理か。レアチーズケーキ・・・これも無理か。食品のストックにフルーツの缶詰(ありがちなのは桃カンだ)なんかない? そういうのがあれば、先に用意しておこう。
もし強い焙煎でしっかりめの風味なら、チョコやミックスナッツ、ブラウニーなんかない? ガトーショコラなんか最高だけどこれも急には無理か。大福や羊羹なんかもかなり当たりだからオヤツにしようと取っといたのがあれば出してみよう。
しょっぱいものでもいいんだけど、やっぱり甘いもののほうがシアワセ感が出るよね。コーヒー飲んでるときにちょっと口に入れたいな、って思う(か思わないかはその時次第だが)、そのときにわざわざ席を立ってオヤツを取ってくるのはせっかくのコーヒータイムに水を差すようなもの。甘いものを少々、手元に置いておこう。そのときに大事なのは、やっぱりちゃんとしたお皿にあけること。カップに気を使ったんだから、こっちにもね!

はい。ここまで準備してやっと抽出する運びとなる。長かった。手間がかかった。しかしここからは超特急である。お手軽簡単である。ちょっとだけ、気を付けることがあるけれども、それすらここまでの準備にはたいた労力からすれば「たいしたことない」ことだ。

そのコーヒーはいつ買ったんだろう? 銘柄は、そう、パッケージに書いてあるね。保管の状況は適切だったかな? 前回飲んだときにはどんな印象だったっけ? とまあ、ここが深淵なる抽出のラビリンスの入口となるわけだが、そのラビリンスですらいともカンタンにスパっと解決できてしまう方法がある。いくつかのチェックポイントさえクリアすればね。

まず糸口を探そう。いちばん大事なのはこれ、「そのコーヒーは美味しいヤツだったっけかな?」である。
記憶が確かなら、これは(a)この世のものとは思えないほどサイコーにイカしたコーヒーだった (b)味は記憶にはないがマズくはなかったぞ (c)えーっと、スーパーかどっかで買ったんだっけかな、好みじゃない味だった わけであるが、それぞれに応じて淹れ方を変えてみよう。
(a)の場合は、なるべく高温のお湯を使い、すこし速めに抽出してしまおう。
(b)の場合は、高温のお湯で、すこしゆっくりめに落としてあげる。
(c)の場合は、すこし冷まし気味のお湯で、さーっと出してあげよう。
そうすることで、(a)は美味しいところを伸ばしてあげることが、(b)はそのコーヒーの成分をちゃんと出してあげることが、(c)はあまりイヤな部分をカップに落とさないことができる。
・・・という、3パターンの抽出方法のどれかを選び、実行することで「自分の好みを反映させた抽出方法で、そのコーヒーをより自分にフィットさせることができた」という何やらプロっぽい雰囲気も満喫できる。

次にコーヒーを実際に抽出するときに計量カップもハカリもいらないマル秘テクニックをお教えする。
初めてのレギュラーコーヒーの抽出でない限り、なんとなく「こんくらい」という粉の量とお湯の量はあると思う。それを踏まえて、計測器具を使わずともすこーしだけ美味しくすることができるコツがある。
ここで役に立つのがティースプーン。ティースプーンで豆を掬いミルに入れるか、あるいは挽いた粉のパックからティースプーンで必要量を掬う。いつも通りに掬ったら、あとふた掬いする。要するにいつもより多めにコーヒーを使うのである。
優雅な手つきで(ガサツにやっちゃダメだ、ここも雰囲気を重視してあくまでもプロっぽく振舞おう)ペーパーの中に必要と思われるより少し多めのコーヒーの粉を入れたら、抽出していく。ポットがなければヤカンでもいい(淹れにくいけど)。ここも優雅な手つきでやりたいのだが、これにはちゃんと意味がある。特にヤカンなんか使うとお湯がドバーっと出てしまうわけだが、優雅にやろうと思えばヤカンでもチョロチョロ出すことができる。それが狙いだ。
そしてカップの中の液体がいつもより少ないところで、あらかじめ用意してあった小ぶりのカップまたはグラス(覚えてる?用意したよね?)に受けかえてドリッパーをカップから外す。あら素敵。プロっぽい。

もちろんここまでの作業で粉やお湯などがこぼれたりした場合は、ちゃんと拭き取ってください。そういうとこ、大事ですよ。

で、カップの中には濃いめの液体が入ってるわけ。
これ、なんで濃いめにしとくかというと、ドンピシャの濃度に出すのはやっぱりハカリとか必要なんだよね。粉の量に対してカップに入る液体の量の多少が前後10%程度でないと、狙い通りの抽出にはならない。となると、やっぱりハカリが必要。しかしながら、それよりもうんと濃いめに落とすということなら話は簡単だ。想定しているところより全然濃くていいわけだから、ハカリなど必要ない。
もちろん、逆にめっちゃ薄く出すっていうのもハカリが必要ないんだけど、薄いコーヒーを濃くするのは非常に難しいけど、濃いコーヒーを薄めるのは簡単なんだな。だってここにお湯あるし。

というわけで、抽出し終わった濃いコーヒー、これを好みの濃度になるようにお湯でうめていく。お湯を少し注して、ティースプーンでかきまぜる(ここで二本めのティースプーンが役に立つんだね!)。ちょっと飲んで濃ければもう少しお湯を注す、の繰り返し。
美味しいと思うコーヒーなら濃いめでお湯を注すのをストップ、あんまり好みじゃないならすこし薄くなるまでお湯でうめて飲むといいかも知れない。ま、好みなんだけど。
自分用であれば、ちびちびとやりながら、少しずつ濃度を薄くしていって風味の変化を楽しむのもいいね。むしろ、そうやって飲むことがなんだかサレオツな感じがするのは気のせいではあるまい。

抽出した道具は、準備したときと同じようにきちんと並べておく。あとで片づけるときに、ぐちゃっと乱雑においてあるんじゃ、気分が台無しだからね。そして引っかけて倒したりしないように、すこし離れたところに置いておこう。キッチンまで戻してもいいね。

そしていよいよ、コーヒーを楽しむ時間がやってくるわけだ。
甘いものをつまみながら、自分の好みにあわせて抽出テクニックを駆使した最高のコーヒーを飲もう。
いいカップで、小ぎれいに盛り付けた甘いものと一緒に、自分好みなコーヒーを飲む幸せ。
もし何かの作業をするなら効率アップ間違い無し、もし読書しながら飲むならその読書タイムのクオリティアップ間違いなし、もし気分転換のためだったとしたら素晴らしい気分になること間違いなし。

以上、ビバ!ロングブラック!的「コーヒーを美味しく飲むには」でした。パチパチパチ。


◆   ◆   ◆



コーヒーを飲むということは、その雰囲気も楽しむということなのです。
最高級のコーヒー豆を購入して、目を三角にしてきちんと計量してタイムを計って細心の注意を払ってコーヒーを淹れることも、それはそれで正しいと思うけど、てもとにあるコーヒー豆を使ってできる範囲で気を使ってあげることで、計測機器を使わずとも美味しいコーヒータイムを過ごすこともできるのです。
どれが正解ということはありません。みなさんも自分なりに「いつもよりも美味しいコーヒーを飲む」ためにすこーしだけ手間をかけてあげてください。高品質の豆を取り寄せたり、ハカリやストップウォッチで計測する手間をかけるのもいいですし、それらを準備することができなければ、それ以外のところで知恵を絞って手間をかけてあげましょう。その手間の分だけ、コーヒータイムはきっと美味しくなりますよ。
posted by ホゼ at 09:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。