2009年09月01日

ドーシングについて

ウチにいるグラインダは、Compak K-10なのだが、業務用の装備であるドーシングユニットが付いている。豆を挽き溜めしておいて一杯分づつにしてくれる便利なヤツだ。

余談だがdoseという単語は「くすり一回分」という意味がある。dosageで「くすりの用量」という意味。

さて、このドーシングユニットは便利な反面、ちょっと余計な動きをしてくれるひねくれものでもある。



普通に前からポルタフィルタを突っ込んでドーシングするとたいていこ左側に山ができるのではないだろうか。右から左に斜めに粉が飛んでくるため、イキオイ余ってグラインダの向かって左側の足元に粉が飛んだりもする。

デヴィッド・ショーマー氏によれば、ドーシングしたあとのバスケットの粉の分配は非常に重要で、左右、前後に指の腹できちんと分配しなければ、その後のタンピングがどんなに素晴らしくとも、粉は均一になってくれなくて、怠け者の水は通りやすいところ(つまり分配が薄いところ)を通ってカップへ抜けるということになるそうだ。
これがうまく分配できれば、タンピングで均一に詰められ、均等に水が通って行くので成分がもれなくカップへ抽出されることになる。



さて、バスケット内の粉が左右で不均一に分配されると、ダブルのポルタフィルタでは左右の注ぎ口から均等には出てこなくなる。
どうも左にたくさん詰まれば、右から出る分が多くなる。
タンピングで均一に力をかけているかどうかを判断するのに、そもそも分配がうまくいっていないのは、ちょっと具合が悪い。左右どちらかから出る量が多いのは、タンピングが失敗しているのか、分配が失敗しているのかわからない。




そこでポルタフィルタを横に向けて左から突っ込むと。




まっすぐ突っ込むから左右の偏りが出るわけで、横から突っ込めば前後方向の偏りになり、左右の偏りは解消される!







偏らないようにドーシング、分配すりゃいい話なんだけどね(汗
posted by ホゼ at 22:53 | Comment(4) | TrackBack(0) | エスプレッソ技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月28日

アフォガードはじめました(笑)

昨日のショットの写真。
ちょっと写真を撮る手際が悪くて、ボケてる写真になってしまった(汗

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フルシティのオリジナルブレンド(自分のオリジナルじゃなくてお店のオリジナル、ね)、焙煎後1週間くらい、K-10の目盛32、タンピングちょっと強かった(たぶん15キロくらい)、30秒でスイッチオフ。ちょっと量が少ないようだ。




さて、こないだこんなものを導入してみた。

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貝印のアイスクリーマーである。


さっそくパートナーがアイスクリームを作ってくれたので、アフォガードにしてみた。


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自家製アフォガード、すげえウマイです(笑
posted by ホゼ at 10:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | エスプレッソ技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月22日

カプチーノに関する考察。(最近の失敗を踏まえて)

まずはこれ。今日のカプチーノ。


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ま、これが今のジツリョクである。トホトなのは仕方がないが、ここからどうすれば良いか考えてみる。





さて、今日、豆を買いに行ってきたついでにカプチーノをいただいてきた。
いつもの豆売りがメインのカフェである。最近シティくらいのを続けて飲んでいたので、ひとつはフルシティのハウスブレンド、もうひとつはエルサルバドルのシティ。フルシティのエスプレッソは、ウチでは久しぶりなので楽しみだ。・・・ま、それは置いといてカプチーノの話。
バリスタ(キュートな女性である)がカプチーノをつくるのを、じっくりと見学させていただいた。


まず、ミルクのスチームについて。
驚いたのは、最初にミルクにワンドを突っ込んでから最後まで、たいして位置を変えてないように見える。・・・のだが、実際はもちろん動かしている。しかし、ハタから見てなんでたいして動かして無いように見えるかというと、まずピッチャーの角度が変わらないこと、次にワンドの深さがたいして変わらないことからだ。
自分では、最初に「空気を入れなきゃ膨らまない」という強迫観念があって、最初の1〜2秒で思いっきりブクブクにしてしまうときがあるのだが、バリスタは意外と深くワンドを入れてあんまりブクブクさせていなかった。だからだんだんとミルクが膨らむので、「え?膨らんでなくない?」と途中まで思ってたくらいだ(最終的には見た目で2〜3割くらいの容積アップかな)。そのおかげでミルクは最初から最後まで泡立つことなく非常にクリーミーな状態だった。
自分の場合では、最初は(ときどきだが)ミルクが飛び散るくらい浅かったりして、やっべー奥に突っ込まなきゃって底まで挿してミルクが回らずピッチャーをこねくり回したりして、忙しいったらありゃしないという状態だ(笑

次にラテアートについて。
手順としてはこうだ。
カップを傾ける→真ん中あたりを狙って高めから落とし始める→半分くらいでカップの傾きをもどしつつ真ん中へんに落としたままピッチャーを振りはじめる→そのまま振りつづけ、最後に少し手前に引いてきてカップの手前から奥にスーっと抜く→できあがり
今日、よーく観察して意外だったのは、ロゼッタを描きはじめてからほとんど最後のほうまで真ん中へんで描いていることだ。
奥から描きはじめてどんどん手前に引いてきていたのだが、そうしなくてもちゃーんとロゼッタは描けるのだ。(あ、自分の場合はロゼッタが描けてないか汗)
それと、カップに半分くらい注いだあたりとかなり早い段階からピッチャーを振りはじめていた。10回以上振っていたのだが、ミルクを残り半分使って振るわけだから、それもできるわけだ。自分の場合は最後の4分の1くらいから振りはじめているので、ちょっと次回から早めてみようと思う。


味はの比較はと言うと、自分の場合は同じ豆を使わせてもらっているので、エスプレッソはなかなか美味しいのが抽出できていると思う。K10&オスカーのコンビはなかなかやってくれる。(最近は抽出も安定してきた)
しかしカプチーノの味は、やっぱり相当違いがある。それはもうミルクの違いと言ってもいいだろう。

ミルクのスチームさえ安定してベルベットにできれば・・・というところだ。何を描くかはその後だ。くち当たりとミルクの甘みをもっともっと高いところにもっていかないと、まずは美味しいカプチーノとはとても言えない。



カフェを開業するなんて言うレベルじゃねーぞ、がんばれオレ(泣
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2009年08月17日

今日のカプチーノ。

今日のカプチーノ。
少しマシになってきたかな。


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ラテアートできるようなスチームができる確率50%というところが、ちょっと悲しい。



しっぱいカップでパートナー作「うさぎ」


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イチに練習、二に練習。毎日飲むぞカプチーノ(太るかも知れない・・・)

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2009年08月16日

ロゼッタっぽい!?

昨日のカプチーノ。


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ロゼッタっぽくなってきたと思わない?




ところで、スチーム後のミルクが「ツヤツヤしている」という状態にならない件・・・「ブツブツしている」だったり「ホワホワしている」だったりなんだな。


目指せ「ベルベット」!
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2009年08月15日

昨日のカプチーノ

あんまりミルクが少ないとスチームがうまくいかない。




というのが、最近のミルクのスチームに関する推測だ。
といってスチームの出来のためにたくさんスチームして、で、牛乳捨てるのもイヤだしなぁ・・・
適量をうまくスチームできればいい話、ってことか。

それと、最初にゴボゴボ言ったらダメ。最初からキュルキュル言わないと、最後まで残る泡が盛大に製作されてしまうんだね。
あと、後半の攪拌。このときのワンドの角度がよくわからない。何回か偶然グルグル回ってる〜って時があったんだけど、そこはそれミルクをずーっとあっためてられないもんだから(あっという間にアツアツになっちゃう)、次にやるときは「えーっと、どんな角度だったっけ(汗」ということになる。


それでもなんとか「スチームされたミルク」という程度にはスチームできるようになってきた。
スチームすることとラテアートすることは(密接に関係があるけど)別の話なので、まずはベルベットのようなスチームができること、次にそれを使ってラテアートができること、というステップで考えているのだけど、そうは言ってもスチームすればエスプレッソに注ぐわけで(というかカプチーノ飲みたさにエスプレッソを抽出してミルクをスチームしているわけで)、スチームの回数=ラテアートの回数となって、どっちも同じ数だけいっぺんに練習することにはなる。そりゃ当然そうなる。



で、かろうじて「スチームされたミルク」と呼べるシロモノを注いで「アート」ならぬ「落書き」を楽しんでいるわけだが、正直に言うと、




ロゼッタって超絶難しくない?




下は昨日の晩のハート。無理やり。途中で浮き上がっちゃったんでロゼッタに移行できず・・・ハートっぽい形にしとけと。

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もうひとつ、パートナーが描いたのを。

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どっちもヘタクソで笑える(本当は泣きたい)。



ま、自分で飲む分には楽しければいっか〜
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2009年08月11日

リーフ????????????

昨日のカプチーノの写真。本当に恥ずかしいのだが、記録として残しておこうと思う。

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ラテアートは、勾配は急だが頂は低い山に登るようなもの、とはデヴィッド・ショーマー氏の言葉。
・・・しかし、その頂は少なくとも3776メートルの富士山よりは高かろう。でなければこんなに苦労するワケがない! 最近やっと、スチームがうまくいくようになってきて、カプチーノがまともになりつつある。
しかしそれも同じようには行かなくて、泡がボツボツだったり、あるいはスチーム不足であったかい牛乳風だったり、熱すぎてなんか臭いがしたりと、苦労している。ラテアート以前の問題だ〜!



ま、そのうちリーフをね。



がんばんなきゃ。
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2009年07月14日

驚異のラテアート(笑)

グラインダーが電動、エスプレッソの抽出もミルクのスチームも電動、そしてどうやら、ラテアートまで電動で行われるようになりつつあるようで(笑





ロゼッタ描いてると「遅れてる〜」などとお客さんにバカにされる時代が来るのかも知れない・・・
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2009年07月09日

コーヒー・カフェ関連資格

コーヒーとカフェに関する資格。


名称 コーヒーインストラクター検定2級/1級、コーヒー鑑定士
機関 全日本コーヒー商工組合連合会
概要 2003年秋にコーヒーの正しい知識の普及と技術の向上を目的として、同協会が日本で初のコーヒーに関する資格認定制度を立ち上げた。2級取得後1年で1級の受験資格が、1級取得後1年で鑑定士受験資格が得られる。


名称 コーヒーマイスター
機関 日本スペシャルティコーヒー協会
概要 コーヒーに対するより深い知識と基本技術の習得をベースとし、お客様へ豊かなコーヒー生活が提案できるプロであることを認定する、日本で初の資格。養成講座修了後、試験合格で認定される。


名称 コーヒーコーディネーター検定
機関 日本創芸学院
概要 コーヒー豆の知識、焙煎方法、抽出方法、オリジナルブレンド、カフェフードの作り方などを修得させる。講座を受講して、すべての課題に合格すれば、『コーヒーコーディネーター検定資格』を取得できる。(無試験)


名称 SCAA認定カップ審査員
機関 アメリカスペシャルティコーヒー協会


名称 CQI認定Qグレーダー
機関 コーヒー品質協会(アメリカ)




最初のふたつは、日本独自のコーヒーに関する資格としては一般的なもののようだ。
次の「〜コーディネーター検定」は、同学院が認定するだけで、しかも無試験と、あまりありがたみを感じない資格だ。
最後の二つは、国際的な資格で(と言ってもどちらもアメリカの機関が認定するのだが)、かなり豊富な経験と深い知識と確かな味覚嗅覚を試される資格のようである。


とりあえず、今のところはまったく資格を取る気は無いのだが、今後取りたくなったときの参考に。
タグ:資格
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2009年06月24日

焙煎&カッピング体験

いつもお世話になっているカフェで、焙煎とカッピングを体験させていただいた。


まずは焙煎。

煎っ太郎というサンプルロースター(小型ロースター)を使ってローストするのを見させてもらった。

生豆はなんか大豆みたいなニオイがするのだが、1ハゼするころには豆くささも抜けてきて、いつものコーヒー豆に近いニオイになる。
その後すぐ2ハゼ、これでシティローストくらいだが、この頃にはもういい焙煎の香りがプンプンとする。ああいいニオイ。たまらん。

いろいろと質問したりしながら、ロースト中の豆の色を見たりニオイをかいだりした。

ロースト時間が全部で20分近いのに、ライトローストあたりから豆の色と香りはどんどん変わる。焙煎が進むのが(思っていたより)超速い。
これはドンピシャのタイミングでローストを終了させるのは、経験がモノを言う感じだと思った。火力の調節なんかも、今回はサンプルローストだからあまり変化させてないけど、これも色々と変えることで味が違ってくるらしい。


次にカッピング。
SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)の方法に準じたカッピングを行う。
って、カッピングなんて初めてやるので、最初にやりかたを説明してもらい、そのときに使う語彙(香りを説明する単語とか)を教えてもらう。
では実際にやってみる。5つの豆を使ってカッピング。やってみると、思ったとおり難しい。
豆の違いは分かるんだけど、それをどう表現していいか、どっちがいいか、どう違うか、それがよくわからない。
結局は好き嫌いという非常に個人的な二極化をせざるを得ないという、非常に稚拙な評価になってしまった。
しかし、マスターが「これとこれが良かった」と言った豆が、自分でも好評価だったことは、自分の舌がそんなにはバカ舌ではないことの証明をしてもらったようで、ちょっと嬉しかった。

自分で店をやるためのカッピングであれば好き嫌いでいいわけだから、とはマスターの言葉。初心者への慰め半分の言葉だとは思うけど、まずは自分が何が好きなのかをカッピングで確かめることが必要なのは、確かだろう。


で、自分が好きな豆は、エチオピア。次点でケニア。(カッピングしたのはケニア、コロンビア、エチオピア、マンデリン、ブラジル)


アフリカの豆が好きらしい。
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2009年06月13日

コーヒーセミナーに参加してきた

いつもコーヒー豆を買っている自家焙煎の店で毎月やっている、ドリップコーヒーのセミナーに参加してきた。


実は「エスプレッソ、エスプレッソ」と念仏のように言っている割には家にはまだエスプレッソマシンがない。もうすぐ買う予定だけど、今は、家ではドリップコーヒーを飲むしかない。
しかし、毎日飲んでいるドリップコーヒーなのに、その抽出についてはそれほど気を配ってなかった。
カフェのコーヒーはもちろんエスプレッソがメインなのだが、ドリップコーヒーもメニューに加える予定だし、今のとこ家ではドリップコーヒーを毎日飲んでいるわけだし、ここいらでちゃんとしたドリップコーヒーの淹れ方を習うのもいいだろうということで、パートナーと二人して参加してきた。


まず、コーヒーの基礎知識。
コーヒーの木になった実がコーヒー豆になるまでの流れと、どういう処理のされかただとどういう味の傾向になる、とか。
あとは豆の産地で味の傾向が違うとか。

そして実際に淹れてみよう!ということで、まずはマスターの模範演技。ブラジルを実際に説明しながら淹れてくれた。
ここで、いままでずーっと「こんなもんだろ」とやっていた自分勝手な淹れかたが大間違いだったこと確認。
金輪際、あんなテキトーな方法では淹れません。改めます。

そして参加者(4人だった)がそれぞれに淹れてみる。そしてそれぞれの抽出したコーヒーをナンバリングしたカップに入れてのみ比べすると、これがまた同じ豆で、マスター監視のもと淹れたにも関わらず、けっこう違う!

そしてエルサルバドルも淹れてみる。挽いた粉の時点でフルーティな香りがして美味しそう。実際に淹れると、ふわーんといい香りがして、ブラジルよりこっちのほうが好みだ(パートナーはブラジルのほうが好みだそう)。

ちなみに、淹れる前の粉の香りと、淹れたコーヒーの香りと、残った抽出後の粉の香りはそれぞれ違うんだね。残りかす(抽出後の粉)の香りは、なんつーか出がらしというか残りかすって感じの匂いに変わっててちょっと笑えた。

さらに、これからの季節にピッタリのアイスコーヒーの淹れ方も習った。お湯出しと水出しの飲み比べもしたけど、断然お湯出しのパンチの効いた味のほうが好き!
水出しは確かにまろやかで飲みやすいけど、ゴクっと飲んでもプハーっという感じがしないんだなこれが。

さらに雑談で盛り上がり、1時間の予定が30分近くオーバーして終了。

こんどは初心者カッピングセミナー(をやる予定らしい?)に参加したいな。
posted by ホゼ at 22:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | エスプレッソ技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月22日

続々・ローストについて

豆について、もう少し考えてみたい。


ケアンズスタイルのカフェをやるからには、オーストラリア産の豆を使いたいところだ。


ここでオーストラリアのコーヒー豆の”豆”知識。

1788年に、リオデジャネイロ経由のイギリスの船がコーヒーの木をシドニーに持ち込んだのが最初と言われている。
19世紀末に開催された「ロンドン博物館」ではオーストラリアコーヒーが出展され、ジャマイカに次ぐ高い評価を受けた。その後100年に渡りコーヒー栽培事業は発展したが、労働力不足と高い人件費のため国際市場では競争力が無く徐々に衰退していったが、1975年にブラジルで起きた大霜害による価格の急騰により息を吹き返し、再びコーヒー産業を確立した。
栽培している場所は、クイーンズランド州のアサートン高原がほとんどを占める。クイーンズランド州では19世紀からコーヒー豆の栽培が行われ、現在このマリーバ周辺のエリアでは10ヵ所以上の栽培場があり、オーストラリアの90%のアラビカ種コーヒー豆がここで収穫されている。

オーストラリアのコーヒーが日本に初めて入ってきたのは90年代後半、日本での歴史は浅く、認知度も低いため、希少なコーヒーである。全てアラビカ種が栽培されており、ヨーロッパやアメリカではプレミアムコーヒー(希少性の高いコーヒー)として人気が高い。



ふ〜ん。そうなのねぇ〜。



さて、これを日本で買うには、日本の輸入豆店から買うか、現地の豆店から買うかである。

日本ではワイルド珈琲ストアが生豆を販売している。価格は3600円/KG。

現地のハイランドコーヒーから通販することもできる。価格は2400円/KG。ただしこれに送料2500円がかかる。5キロも買えばこっちから買うほうが安くなるかも。

肝心の味のほうはどうなんだろうね?今度買って飲んでみようと思う。



ちなみに、だが、普通にブラジルとか買うと1キロ千円しないくらい。
オーストラリアの豆はなんと価格が4倍!?
1キロ買って欠点豆を除いてローストして700グラムになって、それでダブルに20グラムづつ使うとすると、35杯。キロ3600円だとして、一杯百円!!!

普通に使えるのか?そんな高級な豆が?



あ、いや、ブレンドするんだったっけ。アラビカ種といえどもすんごく高いのはハワイコナくらいだろう、するとブレンドすることで原価はおさえられそうな気がする。
もちろん、美味しくなるようにブレンドしなきゃならないんだけど、それはタイヘンな問題だ。やっぱり生豆を買ってローストしてブレンドしてなんて、自分でできるのか?タイヘンだ!
posted by ホゼ at 20:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | エスプレッソ技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

続・ローストについて

エスプレッソコーヒープロフェッショナルテクニック(デヴィッド・ショーマー著)の、豆とローストに関する章を読んでみた。

曰く、

「・・・豆の表面のオイルが出る前にローストを止め、深いマホガニー色になった豆が最も良い・・・イタリアでも地方によりローストが違う。北はチョコレート色か深いマホガニー色、中央は豆の表面がうっすらとオイルで光る程度に深く、ナポリより南では豆に大量のオイルが付着し非常に濃い茶色である。そのため、エスプレッソは南に行くほど量が少なくなる・・・ストレートよりブレンドしたほうが複雑なカップに仕上がる・・・アラビカ種至上主義な北米に対し、多くのイタリアのロースターは少なからずロブスタ種を入れることを好む・・・北イタリア風のエスプレッソにしたければ、酸味の少ない豆を選ぶべきだ・・・」



ここを出発点とし、豆とローストについて、考えていくことにする。
デヴィッド・ショーマー氏が言うところがきちんと分かれば、少なくとも余り間違った方向に進むことは無いだろうからね。


まずはコーヒー豆について調べよう。
アラビカとかロブスタってコーヒーの木の種類だよね?


全日本コーヒー協会というところで情報収集。

◆コーヒーの木とは
コーヒーの木は、カフェインなどのアルカロイド類を多く含むアカネ科に属する熱帯性低木です。
種を蒔いて3年目くらいから最初の花をつけます。花が咲いてから約8ヵ月かけて緑色から真っ赤な実に熟します。
4〜5年経過したころから収穫量が多くなり、手入れをよくすれば30年くらいの間収穫をあげることができます。
コーヒーの木には多くの種類が有りますが、現在商業的に栽培されているのは、「アラビカ種」「カネフォラ種」の2種です。
・アラビカ種
世界の多くの国で生産されており、コーヒーのおよそ3分の2がアラビカ種です。アビシニア(現、エチオピア)が原産地だといわれています。高地で栽培され気象条件や病害虫の影響を受けやすい品種です。酸味と香りが特徴です。
主にレギュラーコーヒー用。
・カネフォラ種(一般に「ロブスタ種」と言われています)
低地でも栽培され病害虫の影響を受けづらい品種です。苦味とコクが特徴で、19世紀にコンゴ奥地で発見されたのが始まりです。
主にレギュラーコーヒーの増量用、インスタントコーヒーや缶コーヒー用。

◆主なコーヒー豆
モカ
エチオピア産ハラー地区でとれるアラビカコーヒー豆をモカハラー。イエメン産のアラビカコーヒー豆をモカマタリ。独特の香りとまろやかな酸味とコクがある。

マンデリン
インドネシア スマトラ島でとれるアラビカコーヒー豆。深いコクと滑らかな苦み、酸味のバランスが良い。

ハワイ・コナ
アメリカ ハワイ島でとれるアラビカコーヒー豆。バランスの良い、豊な酸味と甘い香りがある。

ブルーマウンテン
ジャマイカ ブルーマウンテン地区でとれるコーヒー豆。酸味、甘味と全ての調和が取れ、風味、芳香が優れている。

コロンビア
コロンビア産のコーヒー豆。甘い香りと柔らかな酸味とまろやかなコクがある。

ブラジル
ブラジル産のコーヒー豆。柔らかな酸味と適度な苦みと香りがある。

グァテマラ
グアテマラ産のコーヒー豆。甘い香り、上品な酸味、芳醇な風味を持つ。

カロシ、トラジャ
インドネシア、スラウェシ島でとれるアラビカコーヒー豆。カロシ地区産がカロシ、トラジャ地区産がトラジャ。キレのよい上品な苦みと甘味がある。

キリマンジャロ
タンザニア産のアラビカコーヒー豆。豊な酸味と甘い香り、上品な味わいがある。

◆コーヒーができるまで
コーヒーは、種を撒いて3年目くらいから深緑の2枚の葉の間に小さな白い花を咲かせます。そこに緑色の小さな実が現れ、花が咲いてから約8ヶ月かけて深紅色に熟したら収穫となります。収穫後は脱肉、水洗、乾燥、脱穀、選別などの精選作業が行われます。
次いで、カップテスト、サイズなどによる等級選別作業を経て麻袋詰めされ港から船で輸出されます。その後輸入されたコーヒー生豆は品質鑑定を受け、各工場へ到着すると、用途ごとに分類され、カップテストなどのチェックを受け、様々な製品になります。

◆焙煎
コーヒー製品化の過程で、焙煎(ロースト)の工程は非常に重要な意味を持ちます。
コーヒーの生豆は青くさいだけで、コーヒーらしい味も香りもほとんどありません。それが焙煎することにより、皆さんがお使いになる茶褐色のコーヒー豆になり、同時にコーヒー本来の味と香りを作り出します。さらに、産地により異なるコーヒー豆の味の特徴や、その独特な香りを引き出すのも、8割が焙煎によって決まると言われているほどなのです。
焙煎方法は、生豆の種類や特徴、使い方を考慮して時間と熱を変化させ、その度合いは浅炒り、中炒り、深炒りの3段階に大別されます。
一般には、浅炒りほど酸味が強く甘い香りが際立ち、炒り方が深くなればなるほど、酸味が失われ、苦味と香ばしさが出てきます。
浅炒りはアメリカン・コーヒーに、中炒りは家庭や喫茶店で多く飲まれるレギュラーコーヒーに、深炒りはエスプレッソコーヒーやアイスコーヒーなどに用いられます。

◆ブレンド
味の創造、独自性の発揮、品質の安定化といった目的のため、コーヒーはブレンド(配合)されます。
味の創造と独自性の発揮では、種類の異なるコーヒー豆をブレンドして、1種類の豆では出せない新しい香り、酸味、苦味などの味の調和を引き出します。
また、品質の安定化という面でも、ブレンドは欠かせない技術です。コーヒー豆は産地や品種によって、香りや味に多様な特徴があります。また同じ産地や品種であっても、豆の収穫時期の違いや作業工程の違い、さらに焙煎の度合いなどによっても風味に違いが生じます。ですから、常に一定の風味をつくり、維持するためにもブレンド技術が必要になるのです。



・・・というわけで、ざーっとコーヒー豆について学んでみた。
次回は、豆について掘り下げてみようと思う。
タグ:ロースト
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ローストについて

前回の記事の、本を借していただいたときの話だが、開業するならローストも勉強したほうが良いというアドバイスをいただいた。




ローストだって!?




実を言うと、ローストというのは全くもって頭に無くて、なんか漠然と「豆はローストされたのを買うもんだ」と思い込んでいた。

その店ではおいしいエスプレッソが飲めるし、豆を買って家で淹れたらやっぱりおいしかったんで、開業するときはここから豆を分けてもらおうと思い「業販してますよね〜?」と質問したのだが、そこからハナシがおかしな方向へ進み・・・豆とローストについて勉強しなければならないという結論に達したのだ。



ローストだって!?生の豆を買ってきて焙煎するのか!?



エスプレッソを淹れるテクニックについては、まだまだ勉強が始まったばかりだけど、大きくはこういう分類になると思う。

@豆の保管
Aグラインド
Bドーシング
Cタンピング
D抽出(あまりにたくさんの項目が含まれるが、抽出は抽出でまとめる)
E(場合によっては)ミルクのスチーミング

どれもこれも大問題だ。ひとつとして、簡単に全てを学べて身につくものなどなさそうだ。
そしてそのどれもが、そのほかの項目と密接に結びついて、正解を導き出すことができるのかどうかわからないほど、複雑な問題なのは間違いない。

そこへもってきてローストだって!?

いちいち豆の素性を確かめ、それがどのように扱われて手元にやってきたのかを推理し、その中のダメな豆を取り除いた上で、どのように焙煎すれば最も良いカップになるか決めるのだ。・・・おっと、もしかしたら複数の豆をブレンドしなきゃならないかも知れない!


幸い、私は勉強中の身であり、今すぐに生の豆を購入してローストし、最善の抽出テクニックを用いてカップをお客様に提供しなければならない立場にはいない。
まだ十分に勉強するための時間がある。



そこでこれから、数回にわたって豆とローストについて考えてみようと思う。
タグ:ロースト
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2009年05月21日

ドサーの役割とおいしいエスプレッソ

エスプレッソを淹れるにはまず豆を挽く必要がある。
そのためのグラインダなのだが、業務用のグラインダには(大抵の場合)ドサーが付いている。

ドサーとは、ホッパに入れた豆を刃が挽いた後、粉になった豆を決まった量に分配するための仕掛けである。今回、問題にしようとしているのは、その仕組みとおいしいエスプレッソの関係である。




先日、となり街のハンバーガーで有名なカフェに行ってきた。エスプレッソを注文したら、エスプレッソみたいな茶色い飲み物が出てきた。味も香りも無く、色のついた茶色いお湯だ。
注文したものが期待ハズレだったとき、個人的に残すのがイヤなので平らげて帰りたい派なのだが、こういうときエスプレッソはもともと量が少ないので、平らげるのが楽でいい。とにかく砂糖を沢山入れて飲み干して店を出た。入るときに気が付かなかったが、出る時にチラっと見たらデロンギの家庭用マシンが置いてあった。これでカネ取るのかヲイ。怒るでしかし。
その日は飲み歩きをしようかと思ってたので、飲み直しとばかりにその五軒隣りにあるカフェに入るも、今度はサエコの全自動が置いてあったんで、急用を思い出したフリをして席に座らず退散。

そして、今度こそ本当に口直しと豆売りがメインのカフェに行ってきた。前に記事にも書いたところだ。

さて、前おきが長くなったが、このカフェでエスプレッソコーヒープロフェッショナルテクニックという本を貸していただいた。
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著者はデヴィッド・ショーマー。シアトルのエスプレッソの神様みたいな人らしい。
この本には、エスプレッソをどうやったら美味しく淹れられるかというテクニックが余すところ無く書いてある。オマケでもれなく、デヴィット氏のエスプレッソに対する熱い情熱が付いてくるという本だ。


そこにはこんな内容のことが繰り返し書いてあった。

「〜コーヒー豆は一杯ごとに挽く。そしてドーシングレバーを5、6回パタパタと手前に引き、挽いた粉を全て落としてしまう。〜」

豆は挽きたてを使うのが最も良い。そのためにはドサーに溜めることなく、注文の都度豆を挽くのが最良の手段だという。豆には揮発しやすい成分が多く含まれ、それはカップの中に閉じ込めたい成分なのだから、揮発しやすくなる粉へ挽くのは抽出の直前でなくてはならない。また、風味を損なう酸化を防ぐにも、粉の状態より豆の状態のほうが有利だ。
ヴィヴァーチェでは、どんなに忙しくとも粉の挽き溜めはしない。それは豆は挽いたそばから劣化していってしまうというコーヒー豆の特性と、最高のカップのためには、例えば室温や湿度の変化にも「その一杯分の豆ごとに」対応しなければならないという思想からだ。



ここでもう一冊、エスプレッソに関する本を紹介したい。

バリスタ・ブック
トップバリスタ.jpg

前に行ったんで記事に書いたが、デルソーレというイタリアスタイルのバールでバリスタをされている横山千尋氏が書いた本である。

横山氏、エスプレッソ業界では超が付く有名人である。

そしてこの本にはこんなことが書いてある。

「ドーシングを均一にするために、ドサーには常に6割ほどの豆を挽いて入れておく」

同じ量の豆をポルタフィルタに入れるためには、ドサーが同じ量を落としてくれれば良い。しかしドサー内の粉の量によってドーシングが不安定になる(つまり、ドサー内の粉が多ければ、重量により下にある粉の密度が高まり一回のドーシング量が増え、ドサー内の粉が少なければ逆になる)。
それを防ぐためにはドサー内の挽かれたコーヒー豆の量をある程度の量で一定に保つほうがいい、ということだ。その代わり、挽いてしまった粉が空気に触れ、成分の一部が揮発してしまったり、酸素により酸化したりしてしまうことと引き換えになる。
これは、安定した抽出のためにはまずドーシングが安定しないといけない、という思想だ。
※これについては、前回デルソーレを訪問したときの記事に、ドサー内に半分以上も粉が挽いてあったんで「挽いてどれくらい経つのか」と尋ねたら「20分くらい」という回答だったことが証明している。最高のエスプレッソを飲みに行ったのに、ドサーに挽き溜めされた粉に違和感を持ったのを記憶している。味が落ちちゃうじゃないか、と。


日米のトップバリスタがこれほどまでに違うことを言っているとは!


あくまでも主観であるとお断りしてから言わせてもらうが、デヴィッド氏が「その豆で実現できる最高のカップ」を目指しているのに対し、横山氏は「バリスタができる最高の抽出」を目指しているように思える。
あえて(ヘタな)たとえで言わせてもらえば、デヴィッド氏は孤高の芸術家になろうとしており、横山氏は熟練した職人になろうとしているかのようだ。




私は断然、デヴィッド氏の姿勢に賛成する。


その豆が到達し得る最高のカップを提供する、カウンターの中の芸術家に私もなりたい。
posted by ホゼ at 23:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | エスプレッソ技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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