2020年01月01日

ビバ!ロングブラック!

こんにちは、ホゼと申します。コーヒーまわりのビジネスでおまんまにありつけるように奮闘中です。
去年は移動カフェをスタートし、セミナーやカッピング会に参加して勉強し、勉強しながら実践してきました。たくさんの方に応援と協力をいただきまして、ずいぶん成長することができたと思っています。
今年はさらにいろんなことにトライして、もっと美味しいコーヒーを普及できるように、そして地域やコーヒー業界に対しての取り組みの一環としてコーヒーにかかわる人たちが正当な報酬を得られ、専門的な職業として社会的地位を上げていけるようにがんばっていきます。


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2012年05月15日

コーヒーの海に飛び込め!

僕らがコーヒーって聞いて思い浮かべるのは、普通はカップに入った茶色の液体であろう。あるいは、お店で買ってきたグラインドする前のコーヒー豆、または挽いた粉を思い浮かべる人もいるかもしれない。

しかしコーヒーと一口に言っても、from seed to cupではないがさまざまな段階がある。

大雑把に言って、コーヒーの種子から木を育てて実を収穫するまでの【コーヒー農業】、実を市場へ届けられる形態(生豆)にする【精製業】、それらを保管し適宜移動させる【保管・流通業】、もちろん誰かが買ったり売ったりするわけで【輸出・輸入業】、その生豆を焙煎する【焙煎業】、コーヒー豆にしたり抽出したりして消費者へ売る【小売業】などがある。

さらにこのおおきな分類を細分化していくと、もっともっと専門的な職業があるし、この中に説明できてないコーヒーに関するお仕事だってたくさんある。

コーヒーは、石油に次ぐ世界第二の産業だそうだ。金額がそれだけ動いているということは、働く人もそれだけ多いということだ。
いったい、日本でコーヒーに関する仕事をしている人はどれだけいるのだろうか。世界ということになるともう想像もつかない人数が働いているのだろう。


日本で生まれ日本で育ったらたいていの場合、コーヒーはそれなりに身近なものである。家にインスタントあるいはレギュラーのコーヒーが無いという家はほとんど無いだろうし、家族で外食すればコーヒーを飲む大人をよく見るだろう。街を歩けば自動販売機に缶コーヒーが並んでる。しかしコーヒーを飲む行為が子供時代となじみがないために、小さいころの夢が「コーヒー屋さんになるー!」という人は相当少ないはずだ。
例外はあるだろうが、たいていの場合、大人になっていく段階でだんだんとコーヒーに触れていき、興味を持ち、そしてごく一部の人がそれを職業にしていくわけだ。むしろ、興味もなにもなかったけど就職先がたまたま大なり小なりコーヒーに関する業務があるところだった、という場合のほうが多いのだろう(例えば外食チェーンに就職など)。
世界第二の産業であるコーヒーだが、現代の日本でそれを職業にするというというのは、意外とハードルが高いというか狭き門というか、それほど一般的な選択肢にならないということだ。

コーヒーに関する仕事は、一生モノであると言える。それは、実際に僕が働いてみて感じていることだ。勉強しなきゃならないことは山ほどあるし、経験を積まないとわからないことだらけだ。人とのつながりで解決しなきゃならないこともあるし、ビジネスの規模を大きくしないとできないことだってある。そして時代の変化にあわせるようにコーヒー文化もコーヒービジネスも変わっていく。コーヒービジネスにもたくさんのジャンルがあってその全てに精通するなんてとても一生のうちにできるもんじゃない。
僕がどんなにがんばっても、残りの人生すべてを賭けても、僕が成し遂げられることなどコーヒーの世界の中では砂漠の砂一粒に過ぎないのかも知れない。それほど幅が広く奥が深い世界だ。やるだけの価値は、ある。

と言いながら、コーヒーに関する仕事は、パートタイムでやってみる価値もある仕事なのだと思う。例えばカフェでパートタイムで働いてみよう。特殊な技術が無くただのホール係だとしても、良いカフェで働けば一杯のコーヒーがどれだけお客さんを楽しませているかわかるはずだ。小売店で働けば、一般的に考えなきゃいけないこと学ばなきゃいけないこと努力しなきゃいけないことというのは、当然身につくとして、カフェや焙煎店で働けばそれ以上に、すばらしいコーヒーのある生活をすごしている人たちを垣間見ることができるわけだ。一人のコーヒーファンとして、人生の一時を提供する側にまわってみるというのは、悪くない。

しかしながら、コーヒーを職業にするには日本は少々分が悪い。
白状するが、僕はバブル終末期に大学で日本文学を学ぶ文学青年だったわけだが、いざ就職という段になりいわゆる「ホワイトカラー」の仕事しか選択肢に入れてなかった。つまりよしんばサービス業の企業に就職するにしても、その組織の中のデスクワークをする部門にしか興味が無かったということだ。時代だったと言えばそれまでだが、大卒はネクタイを締めて仕事するもんだという風潮であった。
結果、僕はコンピューター関係(なんとアバウトな括りだw)の会社に入ることになったわけで、それからのキャリアはまあまあ今でも役に立ってるので後悔はしてないが、飲食業をやりたいという気持ちが少なからずあったにも関わらずそれを現実的な選択肢として持ち得なかったというのは、やっぱり少し社会がおかしかったというか時代が悪かったというか、そんな気がしている。(このへんのことは、今発売されてる「珈琲時間・春号」に取材されたのでちょっと書いてあります。良ければ読んでみてください)
たぶん、今でもそうだと思うんだよね、いい会社に入るか公務員になるというのが、社会としてある程度「成功」として認識されてて、コーヒー(に限らずサービス業だったりブルーカラーだったり)を職業にするのは一般的に「不正解気味」な感覚なんだろう。じゃないと学歴社会がまだまだ続いている理由が無いもんね。そして一回「成功」な職場に入れたらそれを定年までまっとうする。それこそが真の成功、というようなモデルが、上の世代を中心にいまだに根強くあると思う。

でも、そういう認識を共通に持っている人たちってそろそろ旧世代なのかなあという気がしているので、若い人たちがこれからどんどん既成のそーゆー枠組みを超えてどんどんいろんな職業にチャレンジしてくれてるのかなあという気がする。コーヒー業界も含めて。
もちろん超がつくほどの就職難でいわゆるホワイトカラーな就職先が減ってるというのもあるだろうし、フリーターなど非正規雇用でやむなく一時的に飲食店などに籍を置く若者が増えているというのもあるだろうし。欧米がそうであるように自分に合う業種や職場を探すということが容易になりつつあり、職場を移るというのがキャリアアップなどと称して市民権を得てきているということも後押ししている。
いろんな事情によりコーヒー業界に籍を置いて、その後コーヒー業界にどっぷりと漬かるもよし、新たなビジネスチャンスをコーヒー業界に見つけるもよし、あるいはいい勉強したって言ってほかの業界に移って行くもよし。
世界第二の産業だけに業界は古く、アタマの固い人たちもたくさんいる。古い体質だと思うところもたくさんある。若い子が参入して「おかしいぞ?」って思うこともたくさんあるだろう。よその業界から入ってきたら「この方法のほうが優れてる」ってノウハウをたくさん知ってるかも知れない。お客さんだってどんどん世代が入れ替わってる。もっともっといろんなことがやれると思うし、やるべきだと思う。それには若い子が大挙してコーヒー業界に押し寄せてきて「働かせろ!」って言ってくるくらいじゃないとダメだなって思う。今変えようとしたことが実際に変わるのは、しばらく後になる。時間がかかることをやれるのは、若い世代の特権だ。

世界はどんどん狭くなる。外国語を自在に操れる日本の若い子が世界で飛び出して、いろんなところで活躍している。行き来だって今以上にラクになるはずだし、物流だってもっとスピードアップされるだろう。オンラインで世界中がつながっていく。そんな時代にコーヒー業界に飛び込んで、コーヒーの生産から小売までのあらゆる段階に出向き顔を突っ込み、好きな分野で仕事ができる。日本がアメリカが生産国がなんて関係なく、コーヒーで世界がもっともっと隅々までつながっていけるのだ。

僕はもう旧世代に片足突っ込んでいるようなもんだけど、できればこういう若い世代の子たちがもっともっとコーヒー業界に興味を持ってくれて、働き甲斐がある職場で活躍できるような、あるいはアイデアとやる気があればなんでもチャレンジできるような仕組みにしていきたいなと思う。そのために、僕ももっともっとがんばらなければなー。

そして若者よ、コーヒー業界にカモーーーーーーーーーーーーン!


     ◆     ◆     ◆



というわけで、この記事が、このブログの300本目になるんだそうです。管理画面を見ると。祝300記事!パチパチ!

2009年2月からはじめたブログなので、足掛け三年ちょい。一年に100本ペースで書いてるわけね。とは言っても、最近はペースが落ちつつあるので、このままいくと今年は100もいかないような気がする・・・うーん、ツイッターやFBを減らしてブログにリソースを割くかw
日本全国に400万人はいると言われているロングブラックファンの皆さんに向けて、これからも細々と書いていきますので、今後とも合言葉は「ビバ!ロングブラック!」でよろしくお願いしますね〜
posted by ホゼ at 11:06 | Comment(1) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月02日

焙煎も自由だ!

前回の記事から時間があいてしまってすいません。
んで、時間があいた割には同じようなネタです。

焙煎の一般的な話と、サンシャインステイトエスプレッソの焙煎の話を前回したわけなんだけど、その中でSSEの焙煎はちょっと一般的な定義と違うんです、という内容の話をさせてもらった。

焙煎って焙煎人の数だけ理論があるとかそういう感じのことなんだけど、おおむね【浅い〜深い】の中でどう分けていくかという区分けをしていることが多いんだと思う。
【浅煎り、中煎り、深煎り】とか【ハイロースト、シティロースト、イタリアンロースト】みたいな区切りをすることが多いのではないだろうか。

そんな区切りがメインストリームな中、当店の区分はどうなっているかというと。
Mercury Roast
フレッシュ感を特に取り出した焙煎、キレのある口当たりをお楽しみいただきます。
Venus Roast
明るいキャラクターで華やかな雰囲気を持っています。特にコーヒーの持つ果実感を重視しています。
Earth Roast
バランスが取れた焙煎、飽きのこない毎日飲める風味特性を目指しています。
Mars Roast
ミルクとの相性がよく、アレンジドリンクにも向きます。マイルドで落ち着いた風味はアイスコーヒーにも適しています。

となっている。浅いとか深いとかじゃない区分である。

勢いのある若手ロースターでホノローステリアというところがある。
>>ホノローステリアのウェブサイトを見てみる
こちらのロースターのコーヒーは、こんな区分になっている。
わたしたちのオリジナルスタイルであるイーブンダークローストは、炎の味であるローストフレーバーと、素材であるコーヒー生豆がもっている大地の味に、50:50のバランスを持たせたダークロースト。
香ばしく、円やかでありながら豊満で、力づよいうつろいと、ながい余韻を味わうことができます。

炎のちからを封じ込めたイーブンロースト。ローストしたばかりの表面はマットですが、ゆっくりとオイルが染み出して、1週間かけてしっとりとした艶のあるコーヒー豆に。

イーブンダークローストはリアクションがとても強いので、マシンエスプレッソとして適切に抽出するために、14日のエイジングをおすすめします。

ダニッシュローストは、デンマーク・コーペンハーゲンを訪れたときに学んだ、「生豆の個性そのものを、カップに表すこと。」を、ホノのやりかたで追求したローストです。
ダニッシュローストはライトローストに属する手法のひとつですが、過度のミネラル感やタンニンがカップに迷い込まないように、注意深くローストが施されています。


独創的であり、面白い区分である。

世界最大のコーヒーチェーンのひとつ、スターバックス。こちらも焙煎の区分がほかと違うようだ。
スターバックスは、コーヒーをローストのレベルで3つに分類しました。豆ごとに少しずつ異なるローストの時間や温度を40年もの蓄積された経験と技術をもったマスターロースターが探求しています。香り、酸味、コク、風味。まずは、あなたのお好みのローストから、お気に入りの1杯を見つけてみませんか。

として、「ブロンド」「ミディアム」「ダーク」の三つに区分している。
皆さんご存知の通り、ブロンドは最近追加された区分である。

もちろん従来の区分(浅い〜深い、シティやイタリアンなど)というのは焙煎の進み具合に対して一定のポイントを定めて区分していくわけで、合理的だしわかりやすい。それらを否定するつもりはまったく無い。
しかし、そういう旧来の言い方ではなく、独自の区分を用意しているところが増えているように思う。

こういうロースターがもっと増えると楽しいなあと思う。

コーヒーは自由だ!(もちろん焙煎も自由だ!)
posted by ホゼ at 16:13 | Comment(2) | TrackBack(0) | 焙煎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月22日

焙煎の度合いについて(あるいはSSEのコマーシャル)

コーヒーの生豆に熱をかけることが焙煎である。



焙煎の度合いによって味が変わるというのは、なんとなく皆さん経験則として知っていると思う。そのため、焙煎の度合いを風味の目安として使用することが多いと思う。
「コクのあるコーヒーが好きだから深煎りがいい」
てな具合である。

コーヒー豆の焙煎度には、一般的には8段階からなるシステムがよく用いられる。

1度 ライトロースト
2度 シナモンロースト
3度 ミディアムロースト
4度 ハイロースト
5度 シティロースト
6度 フルシティロースト
7度 フレンチロースト
8度 イタリアンロースト


このいくつかを括って、三つに分けたのが「浅煎り」「中煎り」「深煎り」である。さすがに三つに分けただけでは足りなかったか「中深煎り」などという中間の言い方をするときもある。

これらの分類の目安になっているのが、コーヒー豆の表面の色、釜から出したときの温度、それと、ハゼである。
コーヒー豆の色は、深いローストほど黒っぽくなることから目安になることはわかると思う。
また、焙煎が進行するとコーヒー豆の温度がどんどん上がっていくので、それも目安になり得る。
そしてハゼだが、コーヒー豆は焙煎するときにパチパチと音を立てる瞬間がある。それをハゼと呼んでいるが、最終的に炭になるまで焙煎するとハゼは2回やってくる。そのハゼは焙煎の進みに応じてある程度規則的にやってくるので、このハゼを焙煎の目安にすることができる。

コーヒー豆の色については、アグトロンという数値を使用して焙煎度とする場合もある。日本ではあまり一般的とは言えないが。
アグトロン社の分光光度計を使用してコーヒー豆表面の色の濃さを測定して「アグトロン55の焙煎」などと言うことがある。

さて、これらの焙煎について前提条件があることが推測できる。

熱のかけかたは、ある程度の基本ラインがあって、それを大幅に動かすことは無いのだろうということだ。
でないと、色とか温度とかで目安をつけることができなくなるからね。
短時間焙煎とか長時間焙煎とかいう言い方があるんだけど、これって裏を返せば「焙煎にはそれぞれある程度の焙煎度に達するまでに決まった時間があって、その焙煎に要する時間で区分することができる」ということだ。そして、焙煎に要する時間が決まっているということは、熱のかけかたがそれなりに決まっているということだ。
それを専門用語で言えば「焙煎プロファイルは大きく変えない」ということだ。

つまり、コーヒーの生豆の状態から焙煎した状態にするまでの熱のかけかたは、ある一定のラインがあって、そのライン上のどこで釜から出すかということで浅い焙煎から深い焙煎を作り出しているということだ。

なんかややっこしい言い方になってしまったけど、簡単に言えば、1000ワットのオーブントースターにパンを入れて、タイマーを何分にセットするかで焼き加減を調整するということと同じだ。普通、1000ワットを途中で500ワットや800ワットに切り替えたりしないよね、そうすると3分で焼いたときにどのくらいの焼き加減になるか当てずっぽうになっちゃうもんね。

というわけで、焙煎する人によって焙煎のプロファイル(熱の量やかけ方)は違うけれども、焙煎する人はたいてい、大きく変わらないプロファイルで浅煎りから深煎りまで焼いているということだ。


さて、ここで疑問がある。なぜプロファイルが一定になりがちなのだろうか。


その答えは・・・と引っ張って、特に答えは用意していないのだが。

たぶん、一定のプロファイルを作って、そこに微調整をしていくというのが、面倒がなくていいということはあると思う。
そしてもうひとつは、その焙煎者にとって「美味しい」プロファイルというのがおのずと決まってくるのかなあと思う。
ま、想像だけどね。

そして、一定のプロファイルの中で、どこで釜から出すかということで焙煎度が決まるわけ(言い換えると、どの焙煎度にするかで釜から出すタイミングを決めるということ)。

プロファイルがおよそ一定であれば、焙煎の度合いは釜から出すタイミングである程度固定できる。たぶんだけど、だから一定の決まりごとみたいな感じで焙煎度合いを決めても不都合が無いわけなんだろうなあ。


こっからが本題。というかコマーシャル。


僕が焙煎を始めたのはついこないだなんだけど、いろいろ勉強したりいろんな人に焙煎の話を聞いたりしながら焙煎していく中で、どうにも越えられない壁があった。
それは、焙煎にはセオリーがあるね、ってこと。そして、焙煎にはセオリーが無いね、ってこと。
何を言ってるんだという話なんだけど、例えば、こういうことなんだ。

ある程度良い結果が出る焙煎方法の場合は、どんな焙煎方法にしろ、そのほとんどの方法は、すでに誰かが試している。つまり、どんな方法にしろ、セオリー通りである。
しかし、それはつまりどんな方法にしろ一定のセオリーなど無いってことでもある。
焙煎そのものの歴史が長いために、過去に試すことができたであろう方法は、どっかの誰かがすでに試しているってことなんだ。そうすると例えば「投入温度が高ければ」「焙煎時間を長くとれば」「遠火の強火にすれば」「排気を多くすれば」「釜のサイズに対して少なめに投入すれば」・・・どんな疑問もたいていは答えが用意されているってわけ。つまりはどんな焙煎方法も、あらゆるパラメーターの組み合わせに過ぎず、その個々のパラメーターの変化に対する答えはおおよそ想像がつく(というか実験されている)わけなんだ。

この、セオリーというものの存在が僕の目の前に大きな壁となって立ちはだかった。

セオリー通りにやろうとすると、正解がわからなくなるんだ。
例えば、短時間焙煎と長時間焙煎。風味に対してどっちもメリットがあり、どっちもデメリットがある。これは同じコーヒーを二つの条件で焼き比べるとわかる。どっちがいいってもんじゃないんだ。でもこれ、どっちもある意味セオリー通りなんだよね。だからこそ、短時間の人と長時間の人がいるわけだけどね。

じゃあどっちにすべきなの?

どっちに「すべき」ってもんじゃないんだね。どっちでもよろしい。どっちも正解。対立するふたつの方法がどっちも正解。その間を取った中時間焙煎(という言い方があるかどうか知らないけど)も、もちろん正解。全部正解。

ほら、困っちゃうでしょ。どれも正解なのにどれかに決められないよ。

釜の初期温度は? 排気はニュートラル?引きを強く?こもり気味で? 投入量はキャパいっぱい?半分くらい? ・・・もうどれもこれも正解なんだよね。正解がありすぎて困るんだ。

そして、どの正解を採用するかで同じような色になったコーヒー豆も風味が違ってくるんだから「この色はシティ」とか「2ハゼ入ってすぐおろしたからフルシティ」とか言えないと思うんだ。だって、同じような色でもパラメーターを変えれば(プロファイルが違えば)、風味が違ってくるもんね。

というわけで、サンシャインステイトエスプレッソの焙煎部門ではプロファイルはもう焙煎度というのにこだわるのはやめようと思うのです。



++++ ここからがほんとにコマーシャルタイムです ++++



サンシャインステイトエスプレッソの焙煎は、4タイプ。

Mercury Roast

フレッシュ感を特に取り出した焙煎、キレのある口当たりをお楽しみいただきます。


Venus Roast

明るいキャラクターで華やかな雰囲気を持っています。特にコーヒーの持つ果実感を重視しています。


Earth Roast

バランスが取れた焙煎、飽きのこない毎日飲める風味特性を目指しています。


Mars Roast

ミルクとの相性がよく、アレンジドリンクにも向きます。マイルドで落ち着いた風味はアイスコーヒーにも適しています。




浅いとか深いとかじゃないです。こーゆー焙煎です。何度とか、排気はとか中点はとか聞かないでください。

正解はひとつじゃない。だからこそ、僕なりの焙煎をしていこうと思います。
SUNSHINE STATE ESPRESSO Roasting Dept.をよろしくお願いします。
posted by ホゼ at 21:30 | Comment(15) | TrackBack(0) | 焙煎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月06日

スターバックスはよく考えられているセルフサービスシステムだ

ちょっと考えさせられる問題があったので。


飲食店でセルフサービスというと、どうしたって「社員食堂」なイメージがある。それも「安かろう悪かろう」とか「効率重視」とか「選択肢が少ない」というネガティブなイメージが強い。吉野家とかすき家とかもコレだろうか。
もしくはマクドナルドに代表されるファストフード店のイメージかもしれない。とにかく早い、安いである。列に並び、コンボを注文する。すぐに奥から温めてある商品が出てくる。決まりきったアイテム(ハンバーガー、ポテト、ドリンク)しか無いので、迷うこともなく精神的には非常にラクだが、つまらない。

しかし、スターバックスはセルフサービスなのに「食堂」「ファストフード」なイメージがない。
それは何故なのか。

一言でいえば「ここでは自分(客)がすべてをコントロールできる」というイメージを植えつけることに成功したからだ。客は常に能動的である。受け身でぼーっとしていると、一生注文できないし飲み物にありつけることはない。もしありつけたとしても、それは平凡な体験になってしまい、ほかの人が得ているような、能動的であるからこそのエキサイティングな経験をすることができないというシステムなのだ。


注文カウンターで自分好みのドリンクをオーダーする。注文に並ぶ列で待っている間にはレジのそばのカラフルなタンブラーやいろんな産地のコーヒー豆が目に入るので飽きない。むしろ待ってるついでに買ってしまいそうになる。
さらに注文カウンターの横にあるクッキーが入ったショーケース。これもついうっかり買ってしまうアイテムだ。
しかしそれらを店員に押し売りされることはない。あくまでも控えめに棚やショーケースに並んでいるだけだ。選ぶ権利はこっちにある。
注文のときには店員に細かく指示を出す。ミルクの温度は、エスプレッソショットはどうだとまるでサッカーの監督がゲーム運びをするようにバリスタを動かす。
飲み物ができるまで、マシンのそばで待つことになるが、これまたサッカーの監督さながらだ。自分の指示通りに飲み物ができるかどうか、バリスタの動きを見張るのだ。
さらに、飲み物を受け取ってからも一仕事待っている。飲み物をさらに細かくカスタマイズしていかなければならない。もちろんスルーしてもいいのだが、自分の好みを追求してオリジナルのカップにすることに、皆余念が無い。

つまるところ、スターバックスが「社員食堂」「ファストフード」と違うのは、誰が支配者かということを顧客が知っているというところなのだ。

決まったメニューの中からボタンを押して今日食べるものを選び、それをカウンターに出して注文した定食が出てくるのを待ち、出てきた定食をただ食べる。
これが食堂である。言い方は悪いが、ただ胃袋を満たすために行くところである。
あるいはすぐに提供できるように紙に包まれて温めてある商品を矢継ぎ早にレジ係りが提供して客を回転させるファストフードは、これまた言い方が悪いが、時間とお金を節約するために行くところである。
どちらにしろ、配給を待つのに近いシステムであり、客は何も考えずに飛び込んで、何も考えずに注文できて、何も考えずに食べることができる。それに加えて、例えば「安い」とか「早い」というメリットもある。悪くないシステムだが、つまらない。つまらない原因は「客は常に受け身」であるからだ。食堂やファストフード店の支配下に置かれ、ルールに則った動きを要請されるからだ。
(もちろんその代わりに得るものもある。食堂やファストフードのシステムが悪いと言っているわけではない)

それに比べてスターバックスは。

お客様は神様じゃないとは思うが、お客様は支配者に見える。店舗のスタッフが客の指示で動いているように見える。



セルフサービスとは、お客さんに自分のことは自分でやってもらうということだ。その代わり値段が安かったり、提供が早かったりするわけだが、自分のことを自分でやらなければならないという義務感は客にとっては不満の種だ。

なんで自分で水をくまなきゃならないの? なんで注文したものを持ってきてくれないの? 
(よその店なら水も注文したものもホールスタッフが持ってきてくれるのに!)

である。

それに対して、スターバックスの客は、極端に言えばこんな感じだ。
飲みたくもない水を勝手に置かれることもないし、注文したものがちゃんとできてるかどうか見届けなきゃならないから持ってきてもらうわけにはいかないね!
(ほかの店では高い料金を取るために恩着せがましく水を持ってきて、見えないところから作りたてかどうかわからないものをうやうやしく持ってきやがるんだ!)



客はバカではない(そうでない場合も時々あるが)ので、損をするのを嫌う。
スターバックスは、セルフサービスなのにあまり安くないが、それでも客が「得をした」と思うようにあちこちに仕掛けをしている。その最たるところが「(客自身が)すべてをコントロールしている」と感じるシステムである。
そのシステムを象徴するのが、有名なスターバックスの企業としての信条「きっぱりとイエスと言う(Just say yes)」である。
客は、自分が満足するようにスタッフに注文する。スタッフはその注文に対していつも「イエス」と言う。場をコントロールしているのは客である。そして、コントロールしているという付加価値があるからこそ、スターバックスは、よそよりも高い料金を取ることができるのである。

スターバックスは、コーヒーを通して人に奉仕する企業ではなく、人を相手にしたビジネスでコーヒーを出しているのだそうだ。

だからこそ、顧客のことをよく考え、顧客にいかに満足してもらうかということに主眼を置いているのだろう(ときどき、コーヒーの味よりも重要だと考えているのではないかと思えるときがあるくらいだ)。
企業の姿勢として大変すばらしいし、その姿勢をもとにこのような顧客満足度の高いシステムを構築した(そしてそれを世界中に広めた!)のは本当にすごいことだと思う。掛け値なしに素晴らしい!



さて、お釈迦様と孫悟空の話がある。例の、世界の果てまで行ったと思ったらそれはお釈迦様の手のひらの上の出来事であった、というアレである。

あれれ?孫悟空は誰?

・・・そんなことはどうでもいいか、美味しいコーヒーが飲めれば。
posted by ホゼ at 18:20 | Comment(2) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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